安全
保障懇談会の提言は、現行憲法解釈上、集団的自衛権も集団的安全保障も認められるというものです。
一方、自民党の憲法改正草案(後に引用)では、集団的自衛権と国連による集団的安全保障を認め、武力行使を容認しています。これは、自民党の現行憲法解釈上は、これらを否定してきたものです。
自民党の結党の原点は、憲法9条の改正であり、個別的自衛権、集団的自衛権、集団的安全保障を憲法上明記させ、これを担う自衛隊の存在を憲法上認めることにありました。
そのために、長年月を費やして、やっとこのような憲法改正草案作成に至ったのです。
ところが、安全保障懇談会は、こうした自民党の悲願と努力を笑い飛ばすかのように、現行憲法の解釈変更さえすれば、自民党の結党の原点を実現できる、と天下に公表したわけです。
これはすなわち、結党目的に憲法改正を据えた自民党が、最初から間違っていたということを指摘したことと同じことになります。
しかもこうした自民党の破壊が、自民党が歓呼をもって選出したあの安部総理のイニシアティブによってもたらされたという悲喜劇を伴っているという
おまけつきなのです。
次期選挙で小沢民主党政権が生まれ、民主党の安全保障政策どおり、即ち安全保障懇談会のこの提言通りのことが実行された場合、それはすなわち自民党に対する死刑宣告になります。
自民党は、結党の原点の過ちを政府解釈変更で公認されたことになりますから、もはや存続は無理です。解党し、新しい政党を作るほかなくなるでしょう。
そのときは、新自由民主党では駄目ですよ。経済自由主義主軸の自由党であるべきです。
国権主義的傾向では、中川昭一さん、経済自由主義重視傾向では、中川秀直さん、というところが中核となるんでしょうか?
自民党憲法改正草案(たたき台)原文
略
第四章 平和主義及び国際協調
* 本章では、憲法目的としての「平和主義(及び国際協調)」を定め、これを担保する手段という観点から、第八章では、「国家緊急事態・自衛軍」について定めている。すなわち、崇高な理想もそれを実現するにふさわしい制度と実力を背景にして初めてその意義を有するものであることを、明確にしようとしたものである。一般に同一の議論の中で言及されることの多い「平和主義」と「自衛軍」について同じ章の中で規定しないのは、このような論理的関係を明らかにするとともに、人権保障(第三章)と国民主権の統治機構(第五章等)との論理的関係と同様のものであることにもならったものである。
第一節 平和主義
1.国際平和への寄与
・ 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、全世界の国民がひとしく貧困、環境破壊、薬物、国際組織犯罪、感染症、紛争、難民流出、対人地雷等の社会構造的な災禍から免れ、尊厳を維持した人間として創造的で価値ある人生を生きる権利を有することを確認するものとすること。
* 現行憲法の定める平和主義を更に発展させて、小渕内閣の主導し、国際的にも定着しつつある「人間の安全保障」の基本的な考え方を規定したもの。
2.戦争の放棄と武力行使の謙抑性
・ 日本国民は、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄すること。
・ 日本国民は、自衛または国際貢献のために武力の行使をともなう活動を行う場合であっても、それは平和的な手段によっては問題の解決を図ることが困難な場合であって、武力の行使は究極かつ最終の手段であり、必要かつ最小限の範囲内で行わなければならないことを深く自覚しなければならないことを定めるものとすること。
・ 武力の行使を伴う活動を行う場合については、事前(緊急を要する場合には事後)の国会の承認を要するものとし、その手続き及び当該活動の基準・制限その他必要な事項については、前項の趣旨に基づいて、法律で定めるものとすること。
* 第一段落は、1項の「侵略戦争の放棄」を定めたもの。したがって、この第一段落によっては、「自衛(これには、当然に、個別的・集団的自衛の両者が含まれる)や「国際貢献(国際平和の維持・創出)」のための武力行使は、禁止されておらず、容認されることになる。第2段落では、このことを前提にして、その場合であっても、武力の行使は平和的手段が尽きた最終・究極の手段であり、さらには、必要最小限の範囲内で行われなければならないことを、規定したものである。また、第3段落は、安全保障基本法(及び国際貢献基本法)の中で、国会承認その他の具体的手続き等を定めることを義務付けており、そこでは、武力行使の手続き・基準のみならず、武器使用基準などについても、規定されることになろう。
* 以上の説明を踏まえて本条項の趣旨を端的に説明すれば、本条項は、いわゆる「制限された(集団的)自衛権を認める」という立場にたつことを明確にした規定であるということが出来る。
3.大量破壊兵器の廃絶及び非核三原則
・ 日本国民は、非人道的な無差別大量破壊兵器が世界から廃絶されることを希求し、自らはこのような兵器を製造せず、保有せず、及び持ち込ませないものとすること。
・ 上記のことに加えて、日本国民は、唯一の被爆国として、核兵器については、特に、これを製造せず、保有せず、及び持ち込ませないものとすること。
* 上記2と同様に、平和愛好国家としての我が国が率先して「大量破壊兵器の廃絶」に向けた努力をすることを、憲法レベルで規定しようとしたもの。第2段落は、事柄としては、第一段落に含まれているということも出来るが、唯一の被爆国としての我が国の「歴史」を風化させないためにも、国是としての「非核三原則」を特記したものである(表現ぶりについては、やや整理が必要か)。
第二節 国際協調
1.国際法の国内法的効力
・ 我が国が締結した条約及び確立された国際法規は、法律に優先し、日本国内に居住するものに対して、直接に権利及び義務を生じさせることを明らかにすること。
* 解釈にゆだねられている「条約と法律」の関係について、各国の憲法規定にならって、明確に規定しようとしたもの。
2.国際活動への積極的参加
・ 我が国は、確立された国際的機構の活動その他の国際の平和と安全の維持及び回復ならびに人道的支援のための国際的な共同活動に、積極的に参加するものとすること。
* 読売私案を参考にした規定である。「確立した国際的機構の活動」とは、現時点では国際連合によるものを念頭においているが、将来的にはそれにとどまるものではなくて、EUのような機関がアジアにも誕生するようなことがあれば、それもこれに含まれることになる。
もちろん、現時点でも、「その他の国際の平和と安全の維持・・・・・ための国際的な共同活動」とあるから、国連の活動に限定されているわけではない。
posted by カキシャン at 22:21|
日記
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